プロフィール

enna

Author:enna
2013年6月ソルボンヌ大学美術史学部を卒業、10月にはパリで男の子を出産予定。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ

スポンサーサイト

--.--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Le Cercle de L'Art Moderne, collectionneurs d'avant-garde au Hauvre, Musee de Luxembourg

Thu.20.12.2012 0 comments
La Parisienne de Montmartre, Musée Malraux, Le Havre

Kees Van Dongen, La Parisienne de Montmartre, 1907-1910, Musée Malraux, Le Havre


リュクサンブール美術館で開催されている展覧会、Le Cercle de L'Art Moderne, collectionneurs d'avant-garde au Hauvreを見てきました。19世紀終わり頃から20世紀初期にかけて、パリ北西にあるル・アーブルという港街に住んでいた数人の有力コレクターたちの集めた作品を紹介する展覧会でした。中でもOlivier SennとCharles-Auguste Marandeという二人のコレクターの持っていたものが中心でした。多くの作品が今ではル・アーブルにあるMusée d’Art moderne André Malraux(略してMuMaというらしい)所蔵になっているようで、その美術館からの出展作品が多かったです。リュクサンブール美術館は小さな企画展専門の美術館ですが、展示作品はバルビゾン派、印象派、後期印象派、ナビ、象徴派、フォーブなどのその時代を代表するアヴァンギャルドの蒼々たる画家たちの作品ばかりで、とても充実していました。ぱっと思い出せるだけでも、Millet, Courbet, Boudin, Monet, Renoir, Pissarro, Vuillard, Felix Vallotton, Paul Serusier, Marquet, Dufyなどなど。もちろん、上に載せたヴァンドンゲンの作品も展示されていました。19世紀の後半から20世紀初頭にかけてのル・アーブルの港を描いた作品が何枚もありましたが、例えばBoudinとMarquetなど、画家毎に港の描き方がとても違ったので、見比べるのも面白かったです。




Volloton.jpg

Felix Vallotton, La Valse, 1893, Private Collection



今回印象に残ったのは、ナビ派のFelix Vallonttonのこの作品です。写真だと分かりにくいけど、実際は黄色の背景に細かいオレンジなど色んな色の点が重ねられていてすごく綺麗でした。Vallonttonの作品は他にも四点くらいありましたが、どれもオリジナリティのある変わった絵でした。あとはマネのオランピアに触発されて描かれたCamoinのヌードがすごくえろくて印象的でした。

この展覧会、ビッグな画家の絵画が多いので見応えはあったのだけど、見る側からすると作品同士の全体的なまとまりはあまり感じられませんでした。ただ、この展示を見て、当時のル・アーブルがアヴァンギャルドの画家たちの集まる場所であり、彼らを支援するギャラリーとコレクターたちの存在があった、ということはよく分かりました。そういえば、同じ時代に同じ場所にいた複数の有力コレクターのコレクションを紹介するという展覧会を見たのは初めてだったように思います。そういう意味で、過去のある期間のある場所の美術界を思い起こさせるというユニークなコンセプトの展覧会でした。

La Sainte Anne, l'ultime chef-d'oeuvre de Leonard de Vinci, Louvre

Wed.09.05.2012 0 comments
davinci_anna01.jpg

Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnll0, 1508-1510年, 168×112cm, 油彩・板, ルーヴル

ルーブル美術館で開催されている、最近修復の終了したダヴィンチの代表作の一つである「聖アンナ」を紹介する展覧会を見てきました。

展覧会は大きく分けて三部構成で、まず始めはダヴィンチ以前の聖アンナを描いた絵画、彫刻、次にダヴィンチが「聖アンナ」の為に描いたデッサンや下絵、そして最後にこの絵に影響を受けた後世の画家たちの作品が紹介されていました。

ダヴィンチ以前の、14、15世紀頃の聖アンナ図像の在り方というのはなかなか面白かったです。聖アンナはキリストの母であるマリアの母で、マリアは原罪を犯さずにイエスを身ごもったという事になっていますが、ではアンナはどのようにしてマリアを身籠ったのか、という論争が13、14世紀頃のヨーロッパで巻き起こります。そこで神学者たちはマリアの神聖を守る為、アンナも原罪を犯さずにマリアを授かった、という説を唱え始めました。こうしてアンナの信仰は以前よりも広がっていき、同時に聖アンナをモデルにした絵や彫刻もどんどん作られるようになっていきました。聖アンナはマリアとイエスと一緒に描かれることが多いです。

因に、16世紀にルターは聖アンナの処女懐妊に聖書のどこにも根拠がないと異議を唱え、カトリック教会を非難していたそう。

次に、展覧会ではダヴィンチによる聖アンナの為に描いた下絵とデッサンの数々が紹介されていましたが、その数がものすごく沢山ありました。全体の構図を描いた下絵から、細部だけを描いたデッサンまで、量がものすごい。特に細部のデッサンは、人物の顔や洋服の襞ばかりでなく、足の甲や手だけのアップだけや背景の木の一本一本を研究したデッサンが何枚もあったのには驚かされました。ダヴィンチの一枚にかけるエネルギーが伝わってきました。そしてデッサンだけでこんなに人を魅了できるのもダヴィンチの凄さだと実感。私はマリアの足の甲の生々しい感じのデッサンが忘れられずに頭の中に強く残っています。

そして「聖アンナ」の絵は、そんな数えきれないほどの下準備を経て描かれたものだと分かる、思いの詰まった作品でした。ダヴィンチはこの絵を20年以上かけて制作していたにも拘らず、ついに完成することはなかったそうです。未完の部分は例えばマリアの青いマントの部分で、実際に絵をみるとそこの部分だけがほとんどベタ塗りになっているのですぐに分かりました。

展覧会では「聖アンナ」の横に、ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵のこの絵の下絵も展示されていました。アンナ、マリア、イエスに加えてヨハネも描かれている構図です。



davinci_bambino01.jpg

Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnllo, 1499-1500年頃, 141.5×104.6, 厚紙・木炭・鉛白, ロンドン・ナショナル・ギャラリー



展覧会では、ダヴィンチの本画の「聖アンナ」を他の画家たちが模した作品もたくさん展示されていましたが、他のどんな模写もダヴィンチの未完の作品の魅力にはとても及んでいませんでした。

展覧会の最後の部分では「聖アンナ」が影響を与えた以後の作品という趣旨で、後期ルネサンスやマニエリスムの作品がたくさん並べられていましたが、どこらへんが聖アンナと関連のある作品なのか分かりにくかったです。ただ、最後の最後に飾られていた聖アンナからインスピレーションを受けたルドンの作品はすごく詩的で神秘的だったのでとても気に入りました。ポストカードもあったので購入しました。


ルドン




HP
6月25日まで

Henri Matisse, Paires et Series, Centre Pompidou

Fri.30.03.2012 0 comments
EXP-MATISSEPAIREETSERIE3.jpg

Henri Matisse, La Blouse roumaine, 1939-1940, huile sur toile, Centre Pompidou



ポンピドゥーセンターで開催されているマティス展を見てきました。マティスは同じモチーフの作品を対で描いたり、時には連作で何枚も描いていますが、その対や連作を同時に見られるという夢のような展覧会でした。ポンピドゥーセンターに加えてコペンハーゲン国立美術館とニューヨーク近代美術館(MOMA)との共同開催で、それぞれ7月と12月に巡回するそう。展覧会ではこの三つの美術館が所有しているマティスの代表的な作品をベースに、世界中からその対や連作を借りてきて一緒に展示していました。私にとっては、いつもポンピドゥーの常設展で見ていた作品の同じシリーズが並べられていて、なんとも嬉しい限り。展示作品はマティスの画業のキャリアをほとんどカヴァーしていて、絵を描きはじめた、まだ印象派風の絵を描いていた頃の作品から、晩年の切り絵の連作ジャズのシリーズまで展示されていました。1945年12月にパリrue Theharanの画廊マーグで開催されたマティス展の様子の写真が何枚がありましたが、これも面白かった。この展覧会のアイディアの大元になっているような展覧会で、マティスの意図によってLa Blouse RoumaineやLe Reveなどのテーマの連作を、それぞれ十枚近く一度に展示さていたようです。また、会場では最初のイントロダクション以外は大判の解説パネルが設けられていなく、お陰でゆったりした空間の中で作品を鑑賞できたのが良かったです。



HP
6月18日まで

Goudemalion, Jean Paul Goude, Musee les Arts Decoratifs

Wed.29.02.2012 0 comments
Goudemalion, Jean Paul Goude, Musee les Arts Decoratifs

ファッション雑誌、テレビCM、アーティストのCDジャケット、ポスターなどなど、多方面で活躍するデザイナー、ジャン・ポール・グードの回顧展。私は彼の作品をあまり知らなかったのですが、元同僚のJulienに誘われて行ってみたらすごい良い展覧会でした。ジャン・ポール・グードが長年担当しているパリのデパート、ギャラリーラファイエットのポスターは地下鉄の至る所に貼られていて、パリに住んでいる人なら誰でも彼の作品を見た事があるはず。その創作活動は非常に多岐に渡っていて、アイディアが溢れ出して止まらない。高齢になった今でも活躍し続けていらっしゃるそう。個性溢れる作品の中でも、特にグレース・ジョーンズとのコラボレーション作品は強烈でした。グレース・ジョーンズは80年代のレディガガ的な奇抜な存在だけど、彼女をモデルにしたポスターや公演のセノグラフィーなどの多くをジャン・ポール・グードが手がけていたよう。後はバネッサパラでぃをモデルにしてシャネルの香水のCMや、他の香水エゴイストのCMも面白かった。一番驚いたのは1989年に行われたフランス革命200周年記念の際の記念式典。当時のフランソワミッテラン政権の元、ジャン・ポール・グードは式典の演出を依頼されたのですが、その式典の様子がもの凄い。衣装のデザインから動く舞台装置やらダンスやら、何から何まで奇抜でアバンギャルドでした。そんな前衛的は作家に全世界から注目される式典の演出を依頼してしまうフランスの懐の広さに驚きました。私にとって、ほとんど注目していなかった作家の良さを改めて知る、という嬉しい発見ができたとても良い展覧会でした。


Vanessa Paradis for Coco Chanel [1992]
http://www.youtube.com/watch?v=PmPl-Q5H3qs

Egoist
http://www.youtube.com/watch?v=bZ5a2JH_BVE

3月18日まで

Cezanne et Paris, Musee du Luxembourg

Sat.25.02.2012 0 comments
リュクサンブール美術館で開催中のセザンヌの展覧会を見てきました。セザンヌはサン・ヴィクトワール山のシリーズをはじめとしてプロヴァンスに縁の深い画家として知られていますが、この展覧会ではセザンヌのパリでの活動に注目し、パリや郊外で制作された絵を紹介するというコンセプトの展示でした。

セザンヌ展だから多少混雑するだろう事を予想して前々から日時指定の前売り券を購入していましたが、いざ行ってみると行列どころか並んでいる人は一人もいなくて、拍子抜けしました。一年前のクラナッハ展の時には極寒の中一時間くらい待った記憶があるので今回は前売りを買ったのですが、必要なかったようです。

展覧会ではパリ市内や郊外の風景画やセザンヌがパリで出会った人の肖像画がずらりと並べられていました。今とは違って当時倉庫街だったベルシーの風景画がありましたが、漁村のように描かれていて長閑な雰囲気の絵で印象に残りました。セザンヌがルーブルで見たドラクロワなどフランス絵画の巨匠の絵を模写したものもありました。

こんなに一度にセザンヌの油彩を見たのは初めてでしたが、なんだかあまり印象に残るような展覧会ではありませんでした。それは結局パリを描いた絵がプロバンスの風景画より良くないからだと思いました。セザンヌはサン・ヴィクトワール山の黄色と緑のコントラストと、ごつごつした山肌の表現に魅力があるのであって、パリの風景ではその感じは出せないのでしょう。

« Prev Page - topTop - Next Page »

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。