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Author:enna
2013年6月ソルボンヌ大学美術史学部を卒業、10月にはパリで男の子を出産予定。

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欲望のあいまいな対象 / Cet obscur objet du desir

Wed.07.08.2013 0 comments
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1977年のルイス・ブニュエル監督最晩年の作品。フランス、スペイン合作。

フェルナンド・レイ主演の、若くて美しい娘に翻弄されるおじさんものの集大作です。

まず、舞台はパリ。老紳士マチュー(フェルナンド・レイ)は、若くて美しい小間使いのコンチータに夢中になるが、このコンチータがかなりのくせ者。騙されて一文無しだと語るコンチータにマチューはお金を与え続け、しまいには彼女までお金で買おうとするが拒絶される。コンチータは清純な顔を持っていたり、ヴィッチな顔を持っていたりする複雑な女性で、映画の中では二人の女性がコンチータを演じている。だから、マチューも観客も、本当のコンチータの姿が分からなくて翻弄される。


obscure.jpg


二人のコンチータ。左が純粋なコンチータで、右がヴィッチなコンチータ。

マチューが彼女をお金で買おうとした事に怒ったコンチータは、母親と共にスペインのセビリアへ帰っていく。そしてマチューもその後を追う。セビリアでコンチータへ家まで買い与えるマチューだったけど、フラメンコ・ダンサーになったコンチータに再び翻弄されて怒り狂う。


surrealism_That-Obscure-Obj.jpg


悪女のコンチータの方がマチューに殴られたところ。鼻血シーンをアップで撮らせる美しい女優は、同じ女として好感度が高いです。こっちのコンチータの方は非常なハマり役で、見ているこっちまで弄ばれてるように感じました。

怒り狂ってセビリアを去り、列車でパリへ戻ったマチュー。でも実はコンチータも同じ列車でパリまでついてきていた。映画の最後でも結局二人はまだ一緒にいて、この後もマチューが翻弄される日々が続くのだろう、というのが示唆される終わり方でした。

谷崎純一郎が晩年に「瘋癲老人日記」を書いた事と、この映画がブニュエル最晩年の作品であることを思うと、二作品の類似を思わざるを得ません。

後まで記憶に残る、完成度の高い作品です。
★★★★★
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