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Author:enna
2013年6月ソルボンヌ大学美術史学部を卒業、10月にはパリで男の子を出産予定。

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La Sainte Anne, l'ultime chef-d'oeuvre de Leonard de Vinci, Louvre

Wed.09.05.2012 0 comments
davinci_anna01.jpg

Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnll0, 1508-1510年, 168×112cm, 油彩・板, ルーヴル

ルーブル美術館で開催されている、最近修復の終了したダヴィンチの代表作の一つである「聖アンナ」を紹介する展覧会を見てきました。

展覧会は大きく分けて三部構成で、まず始めはダヴィンチ以前の聖アンナを描いた絵画、彫刻、次にダヴィンチが「聖アンナ」の為に描いたデッサンや下絵、そして最後にこの絵に影響を受けた後世の画家たちの作品が紹介されていました。

ダヴィンチ以前の、14、15世紀頃の聖アンナ図像の在り方というのはなかなか面白かったです。聖アンナはキリストの母であるマリアの母で、マリアは原罪を犯さずにイエスを身ごもったという事になっていますが、ではアンナはどのようにしてマリアを身籠ったのか、という論争が13、14世紀頃のヨーロッパで巻き起こります。そこで神学者たちはマリアの神聖を守る為、アンナも原罪を犯さずにマリアを授かった、という説を唱え始めました。こうしてアンナの信仰は以前よりも広がっていき、同時に聖アンナをモデルにした絵や彫刻もどんどん作られるようになっていきました。聖アンナはマリアとイエスと一緒に描かれることが多いです。

因に、16世紀にルターは聖アンナの処女懐妊に聖書のどこにも根拠がないと異議を唱え、カトリック教会を非難していたそう。

次に、展覧会ではダヴィンチによる聖アンナの為に描いた下絵とデッサンの数々が紹介されていましたが、その数がものすごく沢山ありました。全体の構図を描いた下絵から、細部だけを描いたデッサンまで、量がものすごい。特に細部のデッサンは、人物の顔や洋服の襞ばかりでなく、足の甲や手だけのアップだけや背景の木の一本一本を研究したデッサンが何枚もあったのには驚かされました。ダヴィンチの一枚にかけるエネルギーが伝わってきました。そしてデッサンだけでこんなに人を魅了できるのもダヴィンチの凄さだと実感。私はマリアの足の甲の生々しい感じのデッサンが忘れられずに頭の中に強く残っています。

そして「聖アンナ」の絵は、そんな数えきれないほどの下準備を経て描かれたものだと分かる、思いの詰まった作品でした。ダヴィンチはこの絵を20年以上かけて制作していたにも拘らず、ついに完成することはなかったそうです。未完の部分は例えばマリアの青いマントの部分で、実際に絵をみるとそこの部分だけがほとんどベタ塗りになっているのですぐに分かりました。

展覧会では「聖アンナ」の横に、ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵のこの絵の下絵も展示されていました。アンナ、マリア、イエスに加えてヨハネも描かれている構図です。



davinci_bambino01.jpg

Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnllo, 1499-1500年頃, 141.5×104.6, 厚紙・木炭・鉛白, ロンドン・ナショナル・ギャラリー



展覧会では、ダヴィンチの本画の「聖アンナ」を他の画家たちが模した作品もたくさん展示されていましたが、他のどんな模写もダヴィンチの未完の作品の魅力にはとても及んでいませんでした。

展覧会の最後の部分では「聖アンナ」が影響を与えた以後の作品という趣旨で、後期ルネサンスやマニエリスムの作品がたくさん並べられていましたが、どこらへんが聖アンナと関連のある作品なのか分かりにくかったです。ただ、最後の最後に飾られていた聖アンナからインスピレーションを受けたルドンの作品はすごく詩的で神秘的だったのでとても気に入りました。ポストカードもあったので購入しました。


ルドン




HP
6月25日まで
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