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Author:enna
2013年6月ソルボンヌ大学美術史学部を卒業、10月にはパリで男の子を出産予定。

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Bruegel, le Moulin et la Croix

Mon.16.01.2012 0 comments
16世紀のフランドルの画家ピーテル・ブリューゲルを題材にした映画"le Moulin et la Croix"と見て来ました。日本では「ブリューゲルの動く絵」というタイトルで公開されているそうです。ブリューゲルの一枚の絵の中に入り込み、その登場人物たちの生活を覗くことによって作品を読み解く、という内容でした。ブリューゲルの絵は結構好きなので、この映画も公開前から楽しみにしていたのですが、実際見てみたら残念ながら正直イマイチでした。




bruegel1_convert_20120117071915.jpg


The Procession to Calvary, 1564
十字架を担うキリスト、1564年 124×170cm ウィーン美術史美術館


映画の中で扱われているのは一枚のこの絵で、様々な登場人物たちが描かれています。絵の主題はタイトルにもなっている画面中央の十字架を担ぐキリストと、息子の受難を嘆く画面右手前のマリアでしょう。映画の中でもこのストーリーがクローグアップされていました。ただし、このキリストは神の息子のあのキリストではなく、宗教改革の中で迫害された殉教者として描かれ、周りにいる赤い制服を着た騎馬兵は当時フランドルを制圧したばかりのスペイン兵として登場してきました。映画の中ではカトリック・スペインの兵隊が新教徒たちに言いがかりをつけて迫害する、という場面がたくさんでてきました。一方、ブリューゲル自身が登場する部分は非常に少なくて、登場人物たちのスケッチをする位の場面しか出て来ませんでした。そんな感じで、迫害する側のカトリック・スペイン側と迫害される可哀想な新教徒フランドル人、という主題で映画のほとんどが占められていて、最後の方は退屈しました。確かにこの絵はそのような内容ですが、ブリューゲル自体はこんな政治的な内容の絵ばかりを描いているのではなく、もっと農民の日常生活や動植物の絵を描く事が多かった画家です。私としては、ブリューゲルの描く自然の長閑な雰囲気や、人物や動植物に対する鋭い観察眼に魅かれるので、そういう点にもっと焦点を当てて欲しかったと思いました。映画のコンセプトは面白いから、もうちょっと短かくショートフィルムにして間延びしないようにしたら良いのかもしれません。




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