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Author:enna
2013年6月ソルボンヌ大学美術史学部を卒業、10月にはパリで男の子を出産予定。

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Pinacoteca di Brera

Wed.04.01.2012 0 comments
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今回はミラノが誇る美術館、ブレラ絵画館について書こうと思います。この美術館の建物は美術学校とその図書館に繋がっています。建物の一階が学校で、学生用の掲示板があったり学生食堂があり、美術館の来館者たちも学校を覗く事ができます。カフェではお茶もできるようでした。上野の芸大の中にある芸大美術館を思い出しました。美術館の入り口にはナポレオンの銅像がありました。なぜだろうと思ったら、ナポレオンがこの美術館を整備して1809年に開館したそうです。

コレクションは初期ルネッサンスからマニエリスム、バロック期のイタリア絵画を中心とした充実したものとなっています。ティントレットやコレッジオの名作も所蔵していますが、私は全体的な傾向として派手なマニエリスムやバロックよりもルネサンスの方が好みなので(もちろん例外も沢山あります)、ルネサンスを中心に今回印象に残った何枚かの作品について書きます。







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Cristo Morto, Andrea Mantegna, 1497 / アンドレア・マンテーニャ<死せるキリスト>1497年

私にとってブレラ絵画館に来るのは2005年振りで二回目ですが、六年前に来た時に最も強烈に印象に残り、その後も「ブレラ絵画館といえばマンテーニャの死せるキリスト」といつまでも記憶に留まっていたのがこの絵です。短縮遠近法という技法を用い、倒れた人や寝ている人を如何にしてうまく描こうか追求していたマンテーニャが、この絵でも大胆にその実験を試みているのがよく分かります。何がしたいのかは良く分かります。でも技法がまだ完全には追いついていない。手前に見えている足は少し小さ過ぎるし、逆に後の胸や頭は大き過ぎる。まだ色々とアンバランスです。そしてその結果、なんだか非常に奇妙な身体のキリストになってしまっています。







Vittore_Carpaccio_Disputation_of_St_Stephen.jpg

Vittore Carpaccio, Disputation of St Stephen, 1514
/ ヴィットーレ・カルパッチョ<聖ステパノの説教>

この美術館には初期ヴェネツィア派の名画が何点が収められていて、今回それがすごく面白かったので何点か取り上げます。まずはカルパッチョ(1455年頃-1525年頃)の絵画について。カルパッチョは若い頃、後に述べるジェンティーレ・ベッリーニに師事していました。この絵の主題になっている聖ステパノは石打の刑で殉教した聖人で、キリスト教図像では石打ちの場面や石を頭に乗せている所など、石にまつわる形で描かれる事が多いのですが、この絵では殉教する前にエルサレムで説教している所が描かれています。私としては、この主題よりも背景に描かれている見たことのない不思議な建築物が面白かったです。左の四角錐の塔やその隣の三本柱に騎馬像が乗せられた謎の門(?)など、空想に溢れています。







Presentazione della Vergine

Vittore Carpaccio, The Presentation of the Virgin, 1504-1508

こちらもカルパッチョの絵ですが、同じく背景の建築が変わっています。カルパッチョは今まであまり見る機会がなかったし興味もなかったのですが、今回面白さが分かったのでこれを機会に今後注目していきたいと思います。







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展示室にて。







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Gentile e Giovanni Bellini, Sermon of St Mark in Alexandria, 1504-1507

この絵は初期ヴェネティア派を代表する兄ジェンティーレ・ベッリーニ(1429年-1507年)とその弟ジョヴァンニ・ベッリーニ(1430年頃-1516年)兄弟の合作で、エジプトで説教をする福音書記者聖マルコが描かれています。マルコは左下の方で説教台に登って民衆に向かって演説していますが、それを聞いている人たちは全身白いマントを被っていたり大きなターバンを頭に巻いていたり、異国情緒溢れる人々が描かれています。そして背景にはちょっとフォルムのおかしいキリンや駱駝がいたり、オベリスクやビザンツ様式風の教会らしきものがあったり、当時の図版で見た東方の動物や建物などをアレンジして描いたのでしょうか。見ていて飽きない大作でした。







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Giovanni Bellini, Pieta / ジョヴァンニ・ベリーニ <ピエタ>(1460年)

ブレラ絵画館の中で最も大事にされている作品の一つであるジョヴァンニ・ベリーニ<ピエタ>は修復中でした。しかも修復風景を展示室の中で展示していました。こんなこと、非常に珍しいです。色々な機材や顔料が見れました。







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Giovanni Bellini, Pieta / ジョヴァンニ・ベリーニ <ピエタ>(1460年)

それにしても、この絵がどうしてそんなに良いとされているのか、正直私にはよくわからなかったです。







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Raphael Santi, Les fiancailles de la Vierge / ラファエロ<聖母の婚礼>1504年

ラファエロのこの絵は美しいとしか言いようのない作品でした。(画像は非常に悪いですが..)ヨセフの身体のねじれ、特に左足の姿勢が優雅で気に入りました。





因にかなり楽しみにしていたカラヴァッジョの絵(Le souper d'Emmaus, Caravage, 1606)は残念ながらモスクワのプーシキン美術館へ貸し出し中でした。プーシキン美術館では2月まで大々的なカラバッジョ展を開催しているようで、この後フィレンツェのピッティ宮殿へ行った時も目当てのカラヴァッジョが同じく貸し出し中だったので、今回はちょっとカラヴァッジョ運が悪かったです。彼の絵はルーブルにも一枚しかないし、パリでもなかなか見れないのでイタリアでたっぷり見たかったです。まあ、アンブロジアーナとウフィッツィでは何枚か見れたので充分とも言えますが。


今回のブレラ絵画館では矢張り初期ヴェネチア派が面白い事に気付けたのが収穫でした。






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